もう半年以上も前ですが、2020年3月にクロス取引にて優待取りに挑戦しました。
今回はありママが実施した優待取りの記録と得た知識を紹介しようと思います。
あくまでも自分用のメモをまとめたもので、かなりざっくりな仕様となっていますため、詳しくは各証券会社HPなどでご確認ください。
ありママの利用しているSBI証券のつなぎ売りの説明ページです↓
今回取得した株主優待について
株主優待は、株式会社が一定数以上の自社の株券を権利確定日に保有していた株主に与える優待制度のこと。
ウィキペディアより引用
今回ありママが取引したのはカッパ・クリエイト(7421)です。
2020年10月時点では100株所有で、系列店で利用できる3000円分のポイントが付与されます。
優待内容についてのHP
クロス取引とは
クロス取引とは、同一銘柄かつ同数量の買い注文と売り注文を同一価格で同時に発注し、約定させる取引です。
SBI証券HPより引用
当社では、SBI証券が取引の相手方となり、お客さまの売却注文(当社買付注文)とお客さまの買付注文(当社売却注文)を取引所の立会外取引として受付いたします。
後半の文章の意味はあまり理解しておりません…
取引が行われている時間にクロス取引を行うと、株価を操作しうることとなるため不正行為に当たるので注意が必要ですが、優待のためのクロス取引については証券会社のHPにも記載されているため大丈夫、と理解しました。
優待クロス取引きとは
通常は目当ての株を購入することで優待の権利が得られますが、権利確定日に近くなると優待目的で購入する人が増えて株価が上がり、権利落ち日を過ぎると売られるため株価が下がってしまうというデメリットがあります。
そこで、信用売りと現物買いを両建てすることで、優待の権利のみを得る方法が優待クロス取引です。
今回はこちらを実践してみました。
優待クロスをするためには信用取引口座を開設しておく必要があるため、証券会社HPより申し込みをしました。
優待取りの方法
「現物買い」と「信用売り」を注文する
株主優待は「権利付最終日」の「15時30分」の時点で株を保有している人が対象となるため、それまでに「成行」で「現物買い」と「信用売り」を注文します。
注文をするタイミングについてはポイントが2つあります。
ザラバでクロス取引を行うと株価を操作する不正行為になりかねないため、取引が行われていない時間に注文しておく必要があります。
また前日の19時から翌日分の信用売り枠の注文が可能になるため、人気の銘柄は19時に要チェックです。
なので19時ごろに狙った銘柄を確認すれば良いですね。
画像の矢印の部分が◎、△、×と変わっていきます。
「一般信用売り」と「制度信用売り」
銘柄によってどちらの売りができるか、それぞれ決められています。
違いは返済期限や費用などです。
「一般信用売り」は取引の時点で費用が確定できて安心なため、ありママは一般信用売りができる銘柄を探して挑戦していこうと思っています。ただし、枠が少なくて争奪戦のことが多い。
「制度信用売り」は逆日歩(ぎゃくひぶ)がかかることがある点に要注意です。
(逆日歩:信用売りの数が多くなると株が不足してしまい、証券会社はどこかから借りないといけなくなって費用がかかる)
逆日歩は、過去の記録を調べることで大体の見当をつけることは可能ですが、実際にいくらかかるかはその時にならないと分からないので、状況によって優待以上の費用が発生してしまう可能性があるとのことです。
*2020年10月時点で、SBI証券ではカッパ・クリエイトは「制度信用売り」可能銘柄に変更になっていました。3月は一般でできたから、ラッキーだったのかな。
「現渡」をする
「権利付最終日の翌営業日」に「現渡」をする。
(NISA口座で買った分は現渡ができないため「特定口座」で買う。)
現渡とは、証券会社から借りた株式を同じ銘柄・同じ株数の保有株式で返済し、当初信用取引で売り付けた代金を受け取ります。
SBI証券HPより引用
信用売りしていた株を、現物買いした株を差し出すことで返すというイメージでしょうか。。
優待取りにかかる費用
売買手数料
SBI証券では、スタンダードプランとアクティブプランの2種類があり、それに則った売買手数料がかかります。
ありママが3月に優待取りを実践した時は、アクティブプランに変更していなかったため、売買手数料がかかってしまいました。。
2020年10月時点では、アクティブプランの手数料が無料の範囲が拡大し、より利用しやすくなっています。
ありママが運用する程度の額は全部タダ!
スタンダードプランだったので、現物買いに「115円」信用売りに「148円」かかっています。
合計「263円」です。
現渡の手数料はかからないようです。
貸株料
信用売りをしていた日数に応じて貸株料がかかります。
計算方法
SBIの貸株料は3.9%とありますので、
「約定した株の値段」×0.039%÷365日×日数
ここでの日数は約定した日を1日と考えて、営業日ではなく土日も含めた実際の日数で計算です。
112,800×0.039÷365×21=253円
売買手数料と貸株料の合計「516円」で3000円分の優待がゲットできました。やった!
気付きにくいコスト
配当金(現物と信用)受払いの差額
権利付き最終日の大引け時点でつなぎ売りをしている場合、現物については税金が差し引かれた配当金(配当金の約80%)を受取り、一般信用売り建玉については配当落ち調整(配当金の100%)金をお支払いいただきます。したがいまして、配当金の約20%の差額をお客さまにご負担いただくことになります。
SBI証券HPより
※現物株式の配当金は、源泉税(20.315%)が差し引かれた金額で支払われます。
SBI証券HPより
※一般信用売り取引の場合は、配当落ち調整金として配当金の100%をお支払いいただきます。
SBI証券HPより
つまり、「現物買いで得た配当金の税引き後金額」をもらえるのと、
「信用売りで支払わないといけなくなる配当金相当額の100%」を差し引いた、
配当金の20%分をコストとして一旦徴収されることになります。
こちらはSBI証券であれば、「特定口座、源泉徴収あり、配当受け入れ」という設定にしていれば、翌年の1月初めのあたりで、その分が還付されるそうです。
特定口座で一般信用クロスしかしていなければ、全額返ってきますが、
特定口座で他に利益がでていれば相殺されるため、丸々返還されるわけではないことに注意です。
(他の利益分の税額が軽減されるので節税となるが、優待取り、のみの収支を考えると全額返ってこない)
ありママの場合は、優待クロス取引では最小単位の100株購入という微益を狙いにいくスタンスのため、特定口座での他の取引で微益があった場合、あまり得にならないというややこしいことになりそうです。
(あくまでも特定口座で利益を確定させた時だけで、含み益は関係ない)
こちらは売買してみた後に発見しました。
(口座の収支を見て、手数料以上の何かが差し引かれているので、!!??となりました)
今は特定口座には配当金の20%分を損しているってのが計上されているってことかな…?…あってる?
いずれ返ってくるにせよ、幾らかの資金は最大1年間拘束されることになる点に注意ですね。
配当の20%分なので、1000円で200円という額ではありますが。。。
現渡の作業が終わったら全て完了、ではないのですね〜。勉強になりました。
こちらは来年の1月になってからでないと分からないので、また確認してみようと思います。
まとめ
それでも、実際に取引をしてみるというのは楽しいです。
取引してみるまでは、最後のコストについては気づきもしなかったですし(説明の字が小さいこと…!)やはり何事も体験あるのみと実感しました。
優待が届くまで、うまくできたかどうか分からないというドキドキ感はありましたが、実際に優待が送付されてきた時はテンションが上がりました!
今回は、優待3000円分→6000円分に増額という超絶ラッキーな事柄もあり、取引手数料で失敗してしまいましたが、それ以上の旨味を得られたのではないかと思います。
今後もちょこちょこやってみるつもりです。